朝、ヒグラシが鳴いていた。
耳をうたがう。
夏はもう終わろうとしているのか。
はっとして、こどもの頃の夏に戻ってしまう。
山間の温泉地、夏休みの後半。
圧倒的なさみしさをもっておとずれる一日の終わり。
きっと、あの頃はゆるされていた。
ゆるされているという事実を知らなかった、ただそのことだけで。
ゆるすというのは、尊い行為だ。
ゆるしつづけるということ。
ゆるされるというのは、すこしさみしい気持ちだ。
ゆるされてしまうということ。
全部、自分で決めたこと。
原因も結果も、きっと。
ひさしぶりに呼吸をした。
音楽のなかで、呼吸をした。
ひとつも見逃したくなかった。
ゆらりと傾いていく夏の、忘れられない大切な夜のこと。
-セットリスト-
2018.7.29
谷町九丁目 ワンドロップ
BUS STOP
君が生まれた日の空は
「バイバイ」
ランドスケープ
桃と音楽
みぎてとひだりて